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廃墟のジオラマを自作してみた【書道用半紙で葉っぱを大量生産編】

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廃墟のジオラマ作り、最後のパーツは植物です。
今回は壁や床を這うように生い茂っている植物を選びたかったので、テイカカズラというツル植物を作ってみました。

テイカカズラを選んだのは、名前の由来が私が作りたい作品の世界観ととてもマッチしていたからです。

式子内親王を愛した藤原定家が、死後も彼女を忘れられず、定家葛に生まれ変わって彼女の墓に絡みついた伝説から。

林野庁ホームページより引用

私が今回のジオラマを作るときにイメージしていたのは、
大切な人に会えないまま時間が経って、忘れたくないのにだんだんと記憶が薄れて曖昧になっていく虚しさ。

テイカカズラの説明を読んだ瞬間にこれしかない!!と思い、初めてのツル植物作りに挑戦しました。

上の商品のように既製品の葉っぱでサイズ感や色が合うものがあれば買おうと思ったんですけど、テイカカズラに近い色の商品が見つけられなかったので、今回は書道用半紙を使うことにしました。

半紙と絵の具と彫刻刀とカッターマットがあれば簡単に作れますし、なるべく時間をかけずに葉っぱを大量生産するにはちょうどいいと思います。

ジオラマの木の葉っぱ部分を手作りしたい人は読んでいただけると嬉しいです!

前回の廃墟ジオラマ制作記事では、ボロボロのカーテンを作りました。
サビだらけのカーテンレールをアクリル絵の具で表現するのが楽しかったです。

葉っぱの制作風景はこちらの動画で見られます。
気になる方はぜひ見てみてください。

書道用半紙で葉っぱを作る

【使うもの】

  • ハサミ
  • パレット
  • ピンセット
  • 書道用半紙
  • 木工用ボンド
  • 彫刻刀(丸刀)
  • アクリル絵の具
  • 刺繍糸(茶色・黄緑)

絵の具が机につかないようにビニール袋を敷いて作業するのがおすすめです!

葉っぱに使う材料は全て100均に売っているもので代用できます。
刺繍糸は私が作りたい植物の枝として使うためのアイテムなので、葉っぱだけ作りたい方は用意しなくてもOK。

書道用半紙に色を付ける

まずは葉っぱの色付けから。
テイカカズラの葉っぱは表面と裏面で少し色が違うので表面は濃い緑色、裏面は少し明るい緑色になるように塗り分けています。

使った色は、

  • 黄色
  • 朱色
  • 深緑
  • 紫色

絵の具に水を混ぜないと絵の具がねっとりしてしまって塗りにくいので、少しサラッとするくらいに調節しながら混色しました。

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今回使った半紙は厚口の清書用です。
ジオラマに半紙を使うのが初めてだったので、色を塗るときに分厚いほうが破れにくいかなと思って選びました。
半紙って結構丈夫なんですね。
大胆に塗っても全然破れませんでした。

塗りひろげるときは大きめの筆でザーっと大胆にのばしていっても大丈夫です。

表面はこの世で1番濃い抹茶のような緑色。

完全に乾燥するまでは、裏返すときに半紙が破れやすくなっているので放置してください。
私はせっかちが出てしまい、半乾きでひっくり返そうとして1枚破ってしまいました。

裏面は緑茶のパッケージのような薄めの緑色で塗ってみました。

こちらの面も完全に乾燥するまで放置。

半紙をくり抜いて葉っぱを作る

カサカサに乾燥したら、紙を小さくカットしていきます。

このあと葉っぱの紙を彫刻刀でくり抜く作業があるので、大きすぎる紙のまま作業するよりは、6か8つ折りくらいにカットして重ねて使うのがやりやすかったです。

彫刻刀は丸刀という( ←こんな感じのカッコの半分みたいな形状のものを使いました。
紙は5枚くらい重ねて作業すると量産できます。

紙に彫刻刀を垂直になるように構えて、そのままグリグリと彫刻刀を沈めて()になるように押していきます。

彫刻刀をグリグリと押し込むとカッターマットに()の形で深めの傷が入るので、それが気になる方は100均のカッターマットの上で作業するのがおすすめ。

紙同士がくっついてしまった場合は剥がして1枚ずつにしてあげるとこんな感じです。

表面と裏面で色が違う葉っぱの出来上がりです。

今はいろんなアイテムが販売されていて、穴あけパンチの葉っぱ型があるのを知りました。
紅葉の作品を作るときはこんなのも良さそうですね!

小さい葉っぱなら既製品を使ってもいいですし、好みの色や形がなければ穴あけパンチがおすすめなのでぜひ使ってみてください。
彫刻刀は結構時間がかかるのと手が痛くなるので、私も今度は穴あけパンチを使ってみようと思います。

若葉としっかり色付いた葉っぱの2色を作ってみました。

このままでは使えないので茎や枝を作っていきます。

テイカカズラの枝を作る

【使うもの】

  • 木工用ボンド
  • 速乾性ボンド
  • 半紙で作った葉っぱ
  • 刺繍糸(こげ茶色・黄緑色)

いつもであれば幹や枝には樹脂粘土とワイヤーを使うのですが、今回はツタのように柔軟に動きを出せる素材が良かったので刺繍糸を選びました。

茶色は幹、緑色は茎や細枝用にします。

刺繍糸にボンドをつける

刺繍糸は6本の糸が合わさって1本の糸になった状態で売られていて、そのまま使うと太すぎるので、今回茶色の糸は2本だけ引き抜いて使っています。
緑色は1本だけ引き抜いて使いました。

なぜボンドで刺繍糸をコーティングしたかというと、特に2本取りの茶色の方は、そのままだと2本の糸が分裂してしまい枝に見えないからです。
ボンドを付けることで、細かくカットしたときも1本の糸として扱うことができます。

あとは、ボンドをまとわせることで少し表面が固くなってくれるので、垂直に接着してもへにゃっとならずにピンと立ってくれます。

刺繍糸に塗るためのボンドはそのまま使わずに、水2:ボンド1くらいの割合で薄めて使っています。
このボンドはただのコーティングなので安いものでOK。
私は100均のものを使いました。

指に水で薄めたボンドを付けて刺繍糸をつまみながらスライドするとやりやすいです。

先ほど作った葉っぱを刺繍糸に1枚ずつ貼り付けていきます。

こげ茶色の糸は枝としても使うので、全部に葉っぱを付けずに裸の糸のままで少しだけ残しておきます。

速乾性ボンドでおすすめなのがアルテコの速乾アクリアです。
このボンドは木・皮・布・紙・金属など、素材を問わずに接着することができて乾燥した後もあまりテカらないので何回もリピートしています。

最近は樹脂粘土で花を作る事が多いのですが、樹脂粘土も問題なく接着できるのでミニチュア制作をしてみたい方はとりあえずこの接着剤は1本持っておくとかなり便利です。

樹脂粘土でテイカカズラの花を作る

【使うもの】

  • 細工棒
  • まち針
  • 樹脂粘土
  • つまようじ
  • 速乾アクリア
  • アートナイフ
  • カッターマット
  • クリアファイル
  • アクリル絵の具(黄色)

今回、樹脂粘土は白色のものを着色無しで使いました。

テイカカズラの花はスクリュー型なので、あとでアートナイフを使ってカットするため、花びらの元になる粘土は形にこだわらず細工棒でとにかく薄くのばします。

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大変お世話になっている細工棒はパジコさんのもの。
この形のものが1番使いやすいんですよね。

のばしておいた粘土を米粒の半分くらいの大きさになるようにカットしていきます。
形は三角形のプロペラのようなイメージで。

花びらを5枚で1つの花になるように貼り合わせていきます。

クリアファイルの上にボンドを点置きして、その上に花びらをおいていくとやりやすかったです。

ピンセットでは花びらが小さすぎてうまく摘めないので、手芸用のまち針を使って花びらを運びました。

星形を目指すとそれっぽくなります。

テイカカズラの花の中央に黄色の絵の具をチョンと付けてみました。

色が淡いのでうまく映らなかったですが、実物はとてもいい感じにできました。

後ほどテイカカズラの葉っぱを付けたところに花を貼り付けるのですが、そのときは上の画像のように花の中央を少し押し込んであげるとより花っぽくなります。

それまではクリアファイルの上で乾燥させておきます。

廃墟ジオラマにテイカカズラのパーツを貼り付ける

【使うもの】

  • ハサミ
  • 目打ち
  • ピンセット
  • 速乾アクリア
  • ボンドでコーティングした刺繍糸

今回のジオラマは窓の外からテイカカズラが伸びてきているような感じに見せたかったので、ジオラマの土台の裏側から茶色の刺繍糸を貼り付けて大まかな枝の動きを決めることにしました。

窓枠の中にも枝を通したり、窓ガラスの裏に枝を這わせたりしながら刺繍糸をボンドで固定していきます。

葉っぱ付きの枝を1本ずつ貼り付けて、窓一面をテイカカズラで埋め尽くしていきます。

表面から見ると、曇った窓ガラスの奥にある葉っぱが雰囲気が出ていてとてもいい感じになってきました。

地道な作業は桜のジオラマ作りのときに慣れたと思っていたんですが、全然慣れないものですね…。

4日くらいかけて少しずつ作業を進めていきました。

なんとかここまで葉っぱの量を増やせました。

仕上げにテイカカズラの花をバランスを見ながら貼り付けていきます。

ジオラマの裏面には花をつけず、最終的に見える表面だけに花を貼り付けました。
このときピンセットで花を貼り付けるのが難しかったので、目打ちを使って花を貼り付けています。

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前回の記事で作ったカーテンを設置したらこんな感じになりました。

初めて廃墟ジオラマ作りに挑戦しましたが、頭の中で思い描いていたものにかなり近い作品に仕上がって嬉しかったです。

最後にピアノを置いて完成です。

まとめ

「時間が経つにつれて薄れていく記憶」を形にしてみたくて作った陰と陽のジオラマ。
自分の頭の中にあるイメージから作品を作るということで、元になる画像がない分、壁のデザインやピアノなど参考資料集めから始めるという初心者にあるまじき難易度のものを作り上げたことでかなり自信がつきました。

設計図づくりから作品2つの完成まで半年以上かかって途中諦めそうになったこともありましたが、無事に最後まで作り切ることができて良かったです。
もしよければ、動画の方も見ていただけると嬉しいです。

YouTubeチャンネル「anzu’s craft room」では、ジオラマ・ミニチュア作品の制作風景を公開しています。

細かい作業がお好きな方は覗いてみてください♪
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