どこを探しても自分のイメージに合う器が見つからない…。
グラタン皿くらいの深さがあって和風な器はどこに売っているんだろうか。
最近YouTubeの視聴者の方から「日本庭園を見てみたいです。」と動画のリクエストを頂きまして、どんな感じの作品にしようかと悩んでいたんです。
そんな時に思いついたのが、盆栽。
盆栽鉢の中に日本庭園を作ればきっと素敵な作品ができる!と思っていたんですが、そんな都合のいい器なんてどこにも売ってないんですよね。
見つからないなら自分で作ればいいじゃないか。
ということで白羽の矢が立ったのが、DAISOの「オーブン粘土」です。
100均のものだから失敗してもダメージは少ない…。
と思いきやすごく扱いやすい!!
好みの形に整えたあとしっかりと乾燥させればあとは焼くだけ。
簡単に自宅で陶芸体験ができるなんて夢のようです。
電子レンジ、食器洗い機、たわし不可な点だけ気をつければ食べ物を乗せても大丈夫。
しかも、お皿や箸置きなどの食器だけじゃなく植物用の鉢や置物も作れるなんて素敵!
【使うもの】
- 水
- 筆
- コート剤
- 粘土ヘラ
- オーブン粘土
- アクリル絵の具
- 粘土を伸ばす棒
- 使い捨てコップ
- クッキングシート
- 割り箸など厚みを均等にできる棒×2本
【作り方】
- 粘土を成形する
- 乾燥させる
- 焼く
- 着色する
- コート剤を塗る
- 焼く
できあがった作品を実用品として使用する場合は、コート剤を使ってくださいとのこと。
DAISOにオーブン粘土専用のコート剤が売っているところもあるようですが、私が行った店舗には売っていなかったので、ヤコのコート剤を使いました。
オーブン粘土で実際に器を作っている動画がこちらです。
気になる方はぜひチェックしてみてください。
DAISOのオーブン粘土
袋から出して練らずにそのまま使えるタイプ。
成形が終わったあと完全に乾燥させてから家庭用オーブンで焼き上げると固くなるので、自宅で気軽に陶芸に挑戦できる楽しい粘土です。
今回は日本庭園のジオラマの土台にするためにできる限り大きな器を作りたい…。
粘土をどのくらい買ったらいいか分からなかったので、割れたときのことを考えて黒い粘土を7袋と白い粘土を2袋購入。
陶芸用の粘土って水分が多そうなイメージだったので重いと思いきや意外と軽いんですね。
粘土の外袋にはグラム数が書かれていなかったので、気になって重さを測ってみました。
袋込みで124g。
手のひら1枚分の平皿なら粘土1袋で足りそうですが、それよりも大きなものを作る場合は2袋以上買っておいたほうが安心です。
今回作った器のサイズは大人の手のひら2枚分くらい。
粘土は3袋(約370g)使いました。
ヤコのオーブン陶土は内容量400gでカラーバリエーションが豊富なので、作品全体に着色せず粘土そのものの色味を活かしたい場合はこちらを選ぶのもあり。
DAISOのオーブン粘土(白)は少し黄ばんでいるので、真っ白な粘土がいい場合はヤコのオーブン陶土ミルク色がおすすめ!
オーブン粘土で器作り
今回の作品はこちら。
絵の具の発色もよく、表面のヒビもありませんでした。
オーブン粘土の成形
【使うもの】
- 水
- 粘土ヘラ
- オーブン粘土
- 粘土を伸ばす棒
- 使い捨てコップ
- クッキングシート
- 粘土の厚みを均一にする棒(割り箸など)
オーブン粘土を扱っている最中は手の平についた粘土が乾燥してポロポロこぼれます。
作業台の上に新聞紙や大きめのビニール袋を引いて、その上にクッキングシートを敷くと粘土がくっつかず作業がしやすかったです。
粘土の厚さを5mmになるように伸ばして成形していきました。
器の側面も厚さ5mmでグラタン皿のような形になるように貼り付けています。
5mmの厚みにするためにいい長さの棒がなかったので、DAISOの手芸コーナーに売っている「竹製編棒10号」を使いました。
これ、粘土が付いても水できれいに洗えるのでおすすめです!
粘土同士の接着には、オーブン粘土に水を少しずつ含ませながら練ってクリーム状にしたものを使いました。
粘土で作った接着剤の柔らかさの目安は、室温に戻してよく練ったクリームチーズくらい。
泡立てた生クリームより少しかため?例えが難しいですが、だいたいそんな感じで。
作業している最中に粘土が乾燥してパサパサになってくるので、こまめに水を含ませて練ってあげるとなめらかな粘土に戻って成形しやすくなります。
1日乾燥から成形の続き
【使うもの】
- 水
- 粘土ヘラ
- オーブン粘土
- 発泡スチロール
- 粘土を伸ばす棒
- 使い捨てコップ
- クッキングシート
- 粘土の厚みを均一にする棒(割り箸など)
今回の器は楕円の盆栽鉢をイメージ。
盆栽鉢といえば水はけが良いように底に足がついて高くなっている印象があります。
ということで成形した器を丸1日乾燥させてからひっくり返して、底に足をつけることにしました。
作業中に作品に圧を加えすぎて底が抜けてしまわないように、ひっくり返す前に器の高さと同じ厚みの発泡スチロールを入れています。
発泡スチロールがなければ、手ぬぐいやタオルでも代用できそうです。
丸1日乾燥させた粘土は表面が乾燥して固まっていました。
ですが、粘土の接着剤を接着面にたっぷり塗ってあげるとしっかり密着してくれました。
はみ出た粘土は、粘土ヘラで綺麗になじませると仕上がりが綺麗になります。
気になる凹凸を埋める時も粘土の接着剤を溝に埋めるようにして使いました。
オーブン粘土乾燥〜1度目の焼き
私が作業していたのは1月半ば。
冬の室内で暖房をつけたり消したりしながら1週間半放置すると粘土の色が白っぽくなりました。
乾燥が足りないと、焼いている最中に作品が割れたりヒビが入ってしまうので焦らずじっくり待つのが大切です。
乾燥させた後に表面のざらつきが気になるときはヤスリで削ってから焼いていきます。
ただ、水分を失った器はかなり脆いです。
薄く伸ばしたラムネ菓子を扱っている気持ちで削ってください。
持つ手に力が入りすぎた瞬間に粉々です。
そうなるのが怖かったので、今回私はヤスリがけなしで焼きました。
ヤスリがけを避けたい方は、成形後に表面を水をつけた指でならしてあげるのがおすすめ。
作品の大きさや時期によって乾燥に必要な時間は変わります。
平たい箸置きなら大体3日くらい。
置物のように中が空洞になっていないものなら、表面が白っぽくなってからも数日は様子見してもよさそうです。
私は今回大人の手のひら2枚分くらいの大きさの器を作って、乾燥してから1週間後にはだいぶ乾燥してましたが、念のため追加で4日放置しています。
焼きの工程は、余熱なしのオーブンで180度に設定。
まず40分焼いてから追加で20分、計60分焼いてます。
焼いたあとは色が濃くなるのが目印だそうですが、正直よくわかりません。
乾燥前の色くらい濃くなってくれたらいいんですけど…。
袋の裏には180度で30分と書いているので、粘土を1袋使ったら30分焼く感じでいいのかなと思います。
私は3袋の粘土を合体させていることもあり、30分では足りないと思って長めに焼きました。
焼けたあとはデコピンしても割れないので普通につかんでも大丈夫です。
私が使っているオーブンレンジは「東芝 オーブンレンジER-S60」です。
100〜180℃の温度調整ができるものであれば値段関係なくしっかり焼けるので、この機会にオーブンレンジも買ってみようと思っている方は参考にしてみてください!
着色〜コート剤
着色にはアクリル絵の具を使いました。
どうやら水性絵の具でもOKらしいですが、私はアクリル絵の具で。
全体に色を付けたい場合は、絵の具に水を混ぜないと筆が滑らずコテコテっとしてしまうので、絵の具6:水4くらいが塗りやすかったです。
模様を描きたいところだけ水少なめの絵の具を使うのがおすすめ。
焼いたあとの器は水分を吸ってきて乾燥が早いです。
グラデーション系の着色は手早くやらないと難しいかも。
絵の具が手につかないくらいしっかりと乾燥させたあとはコーティング。
食器や箸置きなど実用性があるものの場合は、コート剤を塗って仕上げの焼き工程に進みます。
ヤコのコート剤はツヤありタイプとツヤなしタイプがあるので、仕上がりに合わせて使い分けができます。
【ツヤありタイプ】
【ツヤなしタイプ】
私はツヤありタイプのコート剤を購入。
ほんの少しとろみがあって白濁しています。
コート剤には匂いはほぼないので、換気を気にする必要はなさそうです。
コート剤を厚く塗りすぎると気泡ができてしまい仕上がりが綺麗じゃなくなってしまうそうなので、薄く塗り広げていきました。
たまに手につくとベタつく感じあり。
完全に乾燥するとサラサラになります。
どれくらい薄く塗ったかは、こちらの動画を見ていただくのがわかりやすいと思います!
置物のように実用性を気にしない作品であれば、着色のみでもよさそうですが、ツヤを出したい方や表面をコーティングしたい方は水性ニスを使ってもOK。
DAISOのDIYコーナーにも水性ニスが売っています。
2度目の焼き
コート剤は塗ってから数十分で乾燥してくれました。
最後はオーブンで仕上げ焼き。
予熱なしの110度に設定して25分焼きました。
焼き上がりも匂いはなく、表面がツルツルに!
この状態であれば、食器として使えるので食べ物を乗せてもOKだそうです。
たわし、食洗機、電子レンジ不可なので、それだけは注意しましょう!!
オーブン粘土を使えば自宅で楽しく陶芸体験ができるので、気になった方は是非チャレンジしてみてください!