オーブンで焼き固めて使う粘土「グレイスカルピー」。
フィギュアの原型に使われることがある粘土ですが、複製目的じゃない場合は焼き固めたグレイスカルピーにそのまま着色してもOK。
ただ、グレイスカルピー自体がグレーやベージュのような色付きの粘土なので、そのまま着色できると言っても絵の具の色が思ったように出ないことがあるんですよね。
そういうわけで、白系の下地材を塗ってから着色するほうが発色もいいですし、仕上がりも綺麗になります。
この記事では、
- 下地材を使用してから着色した場合
- グレイスカルピーに下地処理をせず直接着色をした場合
2パターンの仕上がりや着色のしやすさについてまとめてみました。
また、下地材について調べたときに見つけた「ジェッソ」と「サーフェイサー」を実際に使ってみたので、それらの使用感も書いていきたいと思います。
下地材自体の使いやすさ、着色の方法、仕上がりを画像付きで紹介していますので、興味がある方はぜひ参考にしてみてください。
グレイスカルピーの下地処理なしの場合
着色にはアクリル絵の具を使いましたが、特に塗りにくさは感じませんでした。
ただ、この作品に出てくるフィギュアの色味は灰色と黒。
濃い色しか塗らないなら直塗りも全く問題なさそうです。
白や黄などの薄い色を使う場合は重ね塗りが必要になりそうな雰囲気。
どうせ重ねて塗るなら下地処理をしたほうが綺麗に発色しそうですね。
こちらの動画に出てくる宇宙人は、グレイスカルピー(下地処理なし)で作りました。
着色の様子も見られますので、気になる方はこちらも見てみてください。
グレイスカルピーの下地処理ありの場合
【下地処理をするメリット】
- 発色が良くなる
- 細かいキズが目立たなくなる
- 絵の具や塗料が密着して色が剥がれにくくなる
今回私が使った下地材は、ジェッソとサーフェイサーです。
ジェッソは液体で筆で塗るタイプ。
こちらは大容量なので、少量ずつパレットに出して使いました。
サーフェイサーも液体タイプはありますが、吹き付けるだけで簡単そうなスプレータイプを購入してみました。
他にも使ってみたいアイテムがあるので、今後タイミングがあれば買ってみたいものも書いておきます。
筆でサッと塗れてツヤが出るタイプ(仕上がりがマットになるメディウムもありました)。
乾いたら透明になるので、濃い色の粘土に使う場合はメディウムに白の絵の具を少量混ぜて使ってもよさそうです。
ジェルメディウムに注目した1番の理由は汎用性の高さ。
ある程度の硬さがあって乾くと透明になるということでジオラマの水面の表現に使えたり、ジオラマ玄人の方がジオラマパウダーを広い面にふりかけるときのボンドの代わりに接着剤として使っていたので、これ1つあればいい。みたいな使い方ができそうでとても魅力的。
ジェッソ
【ホルベインジェッソの特徴】
- 粒子のサイズが4種類ある
- 少しとろみがあるので、必要であれば水を混ぜて濃度を変えられる
- 表面の乾燥はかなり早いけど、しっかりと内側まで乾燥させるなら数時間〜1日おいてもよさそう
- 表面の乾燥が早い
- 量の割に手に取りやすい価格
- ジェッソ自体に絵の具を混ぜることができる
- 紙、粘土、木材など色々な素材に使える
- 粒子サイズを間違えると石像になる
- 着色時に絵の具に水を混ぜすぎると弾いてうまく塗れない
- 乾燥が早いので、塗布時間が長くなると筆がカピカピしてくる
粒子のサイズはS、M、L、LLの4種類から選べるので、お好みの質感に近づけることができます。
Sサイズが1番滑らかで、サイズが大きくなるごとにザラザラとした質感になります。
私はMサイズの粒子のジェッソを購入。
フィギュアだけでなくジオラマの壁と床の下地としても使いたかったので、少し粗めのものを購入しました。
実際に塗ってみるとコックリしたテクスチャーで乾くのも早め。
乾燥後に触ってみると結構ざらっと感があり、紙やすりのように指が引っ掛かる感じです。
人の顔や服のシワのように細かい溝が多い作品に使う場合はMサイズの粒子だと溝が埋まってしまうので、Sサイズの粒子か違う下地材がおすすめかもしれません。
作品を少し儚げな印象にしたくて絵の具を大量の水で薄めて塗ろうと思ったんですが、絵の具が弾かれてしまって大苦戦。
結局上から絵の具を濃いめに塗り直しました…
ブラウスの白色は薄めていない絵の具で塗ってみたところ、ブラウスだけがツルッとした印象に。
このツルッと感の原因はよくわかりません。
100均のアクリル絵の具自体が乾いたあと膜が張ってツヤっぽくなるから??
それとも水を混ぜてない絵の具で塗ったから?
不思議です。
こちらの動画では、人と床、壁にジェッソを使用しています。
質感が気になる方はチェックしてみてください。
スプレータイプのサーフェイサー
【サーフェイサーの特徴】
- ラッカー系の塗料と相性が良い
- プラモデルの塗装をする方たちがよく使っている
- 液体タイプとスプレータイプがある(液体タイプは筆塗り、エアブラシに対応している)
- 商品名にある1000や1500のような数字の大きさで粒子のサイズが変わる(数字が大きくなるほど粒子が細かくツルッと仕上がる)
- スプレータイプは吹き付けるだけなので、下地処理が早く終わる
- サーフェイサー乾燥後に紙やすりを使うと、造形時に気が付かないような凸凹部分の表面処理ができる
- 慣れるまでは均一に吹くのが難しい
- ジェッソと比べると匂いがきつい(換気必須)
- スプレータイプは色付きの煙が舞う(段ボールのような囲いの中で作業必須)
今回私が購入したのは、「水性ホワイトサーフェイサー1000」。
着色に使うラッカー系の塗料はシンナーのような匂いがきついイメージがあったので、なるべく匂いを抑えたものを使いたくて、塗料は「水性ホビーカラー」という商品を選びました。
水性ホビーカラーと相性の良いサーフェイサーとして販売されていたのが水性ホワイトサーフェイサー。
こちらの商品は、サーフェイサーの中でもなるべく刺激臭を抑えめにして安全性に考慮して作られているそうです。
私は水性ホワイトサーフェイサーしか使ったことがないのですが、窓を開けて換気をしてても匂いはそこそこ気になったので、隣のお家に迷惑にならなければ段ボール+屋外で作業するのがおすすめです。
室内での作業は、吹き付けたとき煙のようにモクモクと粉?が舞ってテーブルが白くなるので、屋内で作業する場合は塗装ブースのような設備を用意するか、机や壁をビニールでカバーした方がいいかもしれません。
画像は失敗例ですが、作品に直接吹き付けようとすると玉のように液がついて液垂れするので、作品に当たらない位置からスプレーを噴射し、素早くスライドさせて薄膜を重ねるように吹き付けるのがコツ。
私もやらかしましたが、初回からうまく吹き付けるのは難しいので、色紙を使って軽く練習してもいいかもしれません。
もし液垂れしたり吹き付けすぎて厚みが出てしまっても、半日〜1日しっかりと乾燥させたあと紙やすりで削ると、うまい具合にグレイスカルピー自体の凹凸が消えてチュルッチュルに仕上がります。
紙やすりで削ったところはサーフェーサーが削れて粘土が見えてる状態になるので、仕上げにサーフェイサーを重ねると均等に下地材を付けることができます。
こちらの動画では、スプレータイプのサーフェイサーを使用しています。
着色には水性ホビーカラーを使っているので、仕上がりが気になる方はチェックしてみてください。
まとめ
グレイスカルピーに直接色を塗っても問題なく着色はできます。
ただ、綺麗に発色させたい場合や質感にこだわりたい場合は下地処理をするのがおすすめ。
直塗りの場合におすすめしたいのはアクリル絵の具。
絵の具の種類が豊富なので思い通りの色を作りやすいです。
薄い色を多用する場合や、ひと手間加えて発色を良くしたい方には「ジェッソ」がおすすめ。
こちらもアクリル絵の具で着色可能です。
プラモデルやフィギュアのようなプラスチック製のものに着色したい方や、グレイスカルピーの表面処理と下地処理を一度に済ませたい方には「サーフェイサー」がおすすめ。
中でも水性ホワイトサーフェイサーは匂いを抑えてくれているので、刺激臭で気分が悪くなりやすい方でも手に取りやすいです。(換気必須)
水性ホワイトサーフェイサーに合わせる塗料は「水性ホビーカラー」がおすすめ。
こちらも匂いを抑えながら綺麗に発色してくれます。
水性ホビーカラー同士であれば混色もOK!
グレイスカルピーでお気に入りの作品を作ってみてくださいね!
YouTubeチャンネル「anzu’s craft room」では、ジオラマ・ミニチュア作品の制作風景を公開しています。
細かい作業がお好きな方は覗いてみてください♪
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